1. トップ » 
  2. リストラ対処法 » 
  3. 9.不安定な雇用の労働問題の対処法 » 
  4. (3)派遣労働者の直面する労働問題について

リストラ対処法

9.不安定な雇用の労働問題の対処法

(3)派遣労働者の直面する労働問題について

〈派遣には四つのタイプがある〉

派遣には、・ソフトウェア開発・機械設計・OA機器操作・通訳・秘書など「26業務よる派遣」と、・期間3年以内でのプロジェクト事業に対応するための「プロジェクト型派遣」・「出産・育児・介護代替え派遣」、さらには・あらゆる業務で契約期間1年に限り合法化された「臨時的・一時的派遣」の4つのタイプがあります。

〈派遣の特徴は2つの会社と関係を持つこと〉

派遣労働者は派遣会社との間で「派遣労働契約」を結び、派遣会社は派遣先会社との間で「労働者派遣契約」を結んでいます。つまり雇用関係にある会社(派遣元会社)と業務の指揮命令する会社(派遣先会社)が違うのが派遣の特徴です。

派遣会社は労働法上の雇用義務を負い、派遣先は労働力を使用することから生起する義務を負担することになります。ただし派遣労働者の賃金や労働条件に関する要求や苦情は、派遣会社が法律上交渉相手となります。

仕事の内容や勤務のローテーションに対する苦情は派遣先会社が交渉相手となり(あらかじめ担当者がきめられている)、この場合「就業条件明示書」(派遣労働者に交付する義務がある)の内容が重要となります。

〈罰則がないのでわがままに振る舞う派遣先会社が多い〉

日本の労働者派遣法は派遣先会社に甘く、派遣先には罰則らしきものは企業名の公表ぐらいしかありません。このため派遣法で定められたルールはないがしろにされ、違法派遣や事前面接による違法な選別が横行しているのです。

派遣期間中の契約の打ち切りも多いといわれています。

〈派遣は会社にとって使い勝手のよい安上がり労働力〉

最近自由化された「臨時的・一時的派遣」は、同一の業務について1年を超えて派遣をすることは許されておらず、更新も認められていません。また登録型派遣の契約期間は1〜2ヶ月と短くなっているので、半失業と言うのがピッタリしています。こうした労働者は仕事が断続的で収入が保証されていないためローン契約などは困難となります。しかも派遣労働者の場合昇給はなく、逆に賃金は年々低下しています。このような不安定な労働者の層を作り出すことで、誰が利益を受けるのでしょうか!経営者にとって安上がりで、いつでも首を切れる、使い勝手のよい労働力は利潤の源泉なのです。こうした不安定雇用化を政治家や経営者は「労働力移動」と言っています。労働力移動が進むと正社員の賃下げ圧力が働くようになります。つまり「労働力移動」の狙いは賃下げによる競争力回復にあるのです。

〈派遣の法律で制限されている点について〉
  • 「臨時的・一時的派遣」は最長1年まで。1年を超えている場合は直接雇用する努力義務が生じ、厚生労働大臣より直接雇用するよう指導があり、したがわないと企業名が公表される。
  • 派遣先会社による事前面接による派遣スタッフの選定は法律で禁止されています。
  • 派遣会社は派遣労働者の秘密(履歴書の内容を含む)を守る義務があります。
  • また少なくない派遣会社が、法律で義務づけられている社会保険への加入を意識的にサボることで、利益を拡大している現実があります。派遣労働者にも法律上の権利があることと、それが紙の上の権利であり、実際には無権利であるところにユニオンの組織化と闘いが必要とされているのだと思います。
〈この項の参考資料〉

「トラブルを起こさない退職・解雇の実務と法律知識」石嵜信憲著
「派遣社員トラブルなんでもQ&A」中野麻美著
「正社員以外の労働者の雇用と法律知識」高橋徹著

>>次のページ:(4)派遣の具体的問題と解決

<<戻る 次へ>>

▲ページトップ