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リストラ対処法

6.不当解雇と闘う

(2)企業を解雇された本人が最後まで闘い抜く決意を固めることが最重要である。

あらゆる解雇撤回闘争を闘う上で最も重要なことは、解雇された本人が会社の不当解雇に怒りを持ち。最後まで闘い抜く決意が強固であるかどうかが決定的であることを確認してください。他人まかせでなく、労組まかせでなく、自分が先頭に立ち最後まで屈せず闘う決意が必要なのです。その決意があなたへの支援の輪を広げていくのです。

解雇撤回闘争での本人の決意がなぜ重要なのか——私の経験から

私は若い時、第一電工株式会社尼崎工場で働いていたのです。高度成長期の人手不足の時、私は労組の青年婦人部長をしていました。そのころ会社は足に障害を持つ青年を雇用し数ヶ月間働かせ、そして障害を理由に解雇しました。寮でその青年が泣いているのを見た青婦部の役員の中から「これは不当解雇ではないか」という声が出て担当課長と解雇された青年の部屋で話し合い、撤回を強く求めたのです。話し合いは決裂し課長は退室しました。

私は青婦部長として尼崎労働基準監督署に電話を入れ——課長が職安で本人を歩かせ「この程度の障害なら大丈夫」と言って雇用して数ヶ月働かせ、その後障害を理由に解雇できるのか——と相談しました。

翌日会社内で課長に対する「監禁事件」なるものがでっち上げられ、私には“アカ”のレッテルが貼られ解雇された青年は自分の身体障害を理由にされたので闘おうとせず退職していきました。私達青婦部役員は“二階に上がって梯子をはずされた”状態となりました。

会社と御用組合は懲罰委員会を開き、本人たちに弁明もさせず調査もせず、私達に「始末書の提出」の処分を決定しました。監禁ではないが課長に抗議したこと、尼崎労基署に電話で相談したことが処分理由に書かれていました。青婦部長は解任、組合員権の1年停止でした。この処分は組合大会の全員投票で否決されましたが、翌日上部団体の全電線中央執行委員が乗り込んできて「処分が承認されなければ執行部は総辞職する。そうなると春闘は今年はやれない」と主張して無理やり処分を決定しました。

一年後には組合員権の停止はさらに三年間延長されました。会社は減給処分を追加し、私は入社以来ずっと昇格もされずひどい賃金差別を受けました。

これが私が“労働運動を生涯の仕事”とする決意を固めることになった事件でした。不当解雇事件は解雇された本人が闘う決意をしなかったため結果的に青婦部役員に対する不当処分事件にすりかえられてしまったのです。このときの私の教訓は以下の通りでした。

  • この社会がきわめて理不尽にできており、未熟な理想・正義感だけでは勝利できないこと
  • 不当解雇撤回は本人が闘うものであり、他者がなり替われないこと、本人を励まし、闘う決意を固めさせられなかったことは弱点であったこと
  • 労働組合は御用組合となっていて労働者支配の道具と化していること
  • 大衆が組合大会で一度は処分を否決したことは素晴らしいことであり、労資協調に反対する私達が大衆の支持を受けていることを確信できたこと
  • 会社と組合のダラ幹は青婦部役員が労資協調路線に批判的であることに以前から敵意を持ち、弾圧の機会を狙っていたこと
  • 法律を知らなければ有効に闘えないこと

※労働基準監督署への申告や相談を理由とする処分は違法であること、会社と組合(懲罰委員会)の二重三重の処分も違法であること、当人に弁明の機会を与えないこと等も違法であることを当時の私は青婦部長になったばかりで知らなかったため有効に闘えなかった。

多くの不当解雇事件が教えているのは、会社が不当解雇を正当化するために平気で事実を歪曲し、デマを流し、嘘八百を並べるものであるということです。そのデマや嘘を暴露反撃することができるのは、解雇された本人だけであること、事件の当事者が闘いを放棄してしまえば、その人を支援している職場の仲間が今度は会社の攻撃対象となるのです。

私は不当解雇撤回の闘いに敗北したことを恥とは思っていません。

身体障害者を承知で雇用しておきながらその障害を理由に解雇するその理不尽な会社の行為を許せなかったのであり、そのことで会社と組合に何回も処分され賃金差別を受け続けたのは、私が最後まで屈服せず、会社とダラ幹を批判するビラを何年も配布し続けた結果であり、むしろ処分を誇れることであると思っています。

話が少しそれましたが要するに不当解雇撤回闘争を勝利する決定的な問題は、本人が最後まで闘い抜く決意を固めるかどうかであるという点は強調しすぎることはないほど重要であることを確認してほしいのです。

このことは逆に会社側の立場に立つと、不当解雇撤回闘争をつぶすには、本人に闘うことをあきらめさせればよく、たとえ不当な解雇であっても本人が諦めてしまえば問題にならず、闘争の芽を簡単に摘み取ることになるのです。

解雇された当事者が最後まで闘い抜く決意を固めるには、その解雇がどの点で違法であり、不当なのかという点を明確にし、勝利の展望を説明して、闘うことが正義であり、労働者階級全体の利益に関わる問題であり、決して個人的問題ではないことを本人に辛抱強く説明し説得する必要があります。

あなたが解雇された時、労働者としての雇用契約上の権利を主張することが正当な権利であり、また義務でもあることを理解しあなたを支持している人がいることを信じてほしいのです。

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