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リストラ対処法

4.「だまし討ち」「追い落とし」解雇と闘う

経営者のために書かれた「首切りマニュアル」は自己退職への追い込みに続いて「だまし討ち」「追い落とし」とも言うべき手法を紹介しています。

例えば「出向に応じてくれれば後で戻す」などと口約束で出向に出し、口約束は絵に描いた餅」と主張しています。また倒産がわかっている「死に体」同然のところに出向を命じ、その後倒産させる。労働者が「計られた」と思っても「どうにもならない」などとデタラメを言っています。これは出向に名を借りた「だまし討ち解雇」とでも言うべき手口です。

実際には出向先が倒産しても法律的には出向元との雇用関係はなくならず、出向元に復帰することができるのです。倒産がわかっていて出向させた場合は命令そのものが違法であると言えます。

またよく使われる手口として、3年という約束で出向させ、その後労組との間で転籍に切り替え、転籍先で「あんたのする仕事はない」と解雇にする例があります。「首切りマニュアル」は、「このだまし討ち」とも言うべき解雇を「賢くやることが大切」「いかさまのような会社だと法廷に取り上げられる」ので気を付けることを注意しています。同マニュアルは、こうした転籍では「まともな転籍も用意し“玉石混合”にしておくことで「転籍でうまく行かないのは本人の問題」にすることができる、と欺瞞的な手口を示しています。

「首切りマニュアル」はさらに対象労働者の弱点・仕事上のミスや病気や不倫・酒・金を降格に利用することを進めています。これらの弱点をみつけ、あるいは作り出し、それを口実に降格の転籍をやった上で「今後君の昇格はない、相談があったら来なさい」とささやいて労働者の「希望」という形で別会社に出向させたり、自己退職に追い込むのです。こうした「追い落とし」とも言うべき解雇の口実がない場合は女(あるいは男)を使って意図的に誘惑を仕掛け、社内に不倫のウワサを振りまいて職場で孤立させ、退職に追い込むのです。

会社がこうした「だまし討ち」や「追い落とし」解雇を進める場合はすでに排除すべきブラックリストが作成されていると見なければなりません。社内に魅力的な異性が近づいてきたり、賭マージャンや競馬等に誘われた時は要注意と思ってください。職場での金の使い込み、上司への暴言や暴力を振るうという行為は「企業秩序の破壊である」として会社は前触れなく解雇してくるので、上司の挑発や罠に気を付ける必要があります。女性労働者の場合はセクハラによる退職強要という手口もありますから、その時は断固とした態度が必要です。

筆者が読んだ約20冊のリストラ関係の本のうち数冊が「誘惑」を仕掛けてリストラの口実作りを図ったり、調査会社に対象労働者を尾行させ、相手の弱みをつかむ手口を紹介しているので、頻繁に利用されている手法であると思ってください。

仕事上の重大なミスが出た場合、まず指導として「叱責」してきます。その後注意を促すための文書で注意し、本人の自覚を促したという「事実」を作った上で解雇してきます。この場合「叱責」にも当然挑発が含まれていますし、仕事上のミスを犯す罠を仕掛けてくることがあります。注意が必要です。用意周到なこうした手口に引っかかった場合、本人は真相を知らないまま「自分のミスである」と思って自己退職することになり、会社のたくらみがわかったとしても罠であることを証明することが難しいのです。

以前私が経験した会社の“罠”にこんなことがありました。

ある日、門前横のタイムカード室に、活動家であった私を名指しして「ビラによる一方的宣伝」を非難・攻撃する人の身長ぐらいの大きな額入りの掲示が工場長名で出されたました。これは会社による挑発で、会社側の事情を知る立場にある支持者が私に「この掲示のガラスをあんたが割れば、すぐ警察に逮捕させる段取りができている」と教えてくれたのです。当時は支持者と思っていなかった人からの忠告が非常にうれしかったのを今でもよく覚えています。日頃から会社内に支持者・協力者を作っておけば、会社の罠を事前に回避することができるのです。

人間は感情の動物ですから、公の場に自分を名指しで批判するガラス張りのばかでかい額入りの掲示を出されると“カー”と頭に血が上ってしまうもので、当時私は本当にその掲示のガラスを割ってやろうと思ったのです。何ごとも“頭に血がのぼる”ような挑発を受けたときこそ冷静になる必要があります。感情で動かされたり、感情を政策に変えた場合失敗することが多いことは幾多の経験が教えています。会社という組織は、ある人物を会社から排除する決定をすると、どんな卑劣で恥知らずなことでもやるのです。とりわけ日本経済がバブル崩壊して以後は恥を恥とも思わないで、汚い手口を選ぶ経営者が多くなっています。彼らはそうした“リストラ”が多くの労働者の階級的意識を目覚めさせていることに気付いていないのです。

(1)「だまし討ち」「追い落とし」解雇にどう反撃するか

(2)職場に連帯を生み出す秘訣について

 

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